主に「イノベーター養成プログラム」履修生を対象として、11月28日に今年度第3回目のリサーチセミナーを
開催しました。
今回は、本学大学院医歯学総合研究科臨床腫瘍学分野教授、医学部附属病院腫瘍センター長の
三宅智先生を講師としてお招きし、「医師としての職種選択の理由~自分自身のことを振り返って~」
というタイトルでご講演いただきました。
ご講演では、先生のご経歴について、医師になって始めの消化器外科時代、その後の基礎研究時代、
そして現在の化学療法・緩和ケア時代に至るまでのお話がありました。
医師になって始めに消化器外科としていくつかの病院で第一線の臨床医として働き、また大学院での研究を
経た後、ボストンへの留学をされたとのことでした。留学中には癌抑制遺伝子として有名なRBの結合蛋白を
クローニングするという仕事をされ、帰国後にも基礎の道を進み一貫して癌の分子生物学的研究を
遂行されたというお話がありました。癌に関するテーマで基礎研究に取り組んだのは、消化器外科時代に
癌を治療していたという意識があったことが理由の一つであるとのことでした。
驚くべきことは、この時期には臨床医は全くやめてしまい、基礎研究に専念されたということでした。
その後、色々な縁があり消化器外科時代に働いていた病院で、緩和ケア病棟を立ち上げることになり
臨床医として再び働き始め、現在まで化学療法や緩和ケアをご専門にされているとのお話がありました。
Surgical, Medical, Radiological, PsychologicalなOncologyを俯瞰し、更にこれに
Palliative Careを行うことがPalliative Oncologyではないか、という先生の考えもお聞かせいただきました。
最後に、「場所や立場を目標にするとその後進めなくなってしまうので、やりたい事などを目標に
していってください」と学生へメッセージをいただきました。
様々な経歴をお持ちの三宅先生のお話は、具体的なエピソード満載で、学生のロールモデルの一つとして
非常に参考になったのではないかと思います。
なお、本セミナーには「イノベーター養成プログラム」履修生31名、医学科1年生の参加がありました。
日時:平成29年11月28日(火)
場所:M&Dタワー 大学院講義室