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平成27年度 第3回リサーチセミナーを開催しました

 

主にメディカルイノベーター養成プログラム履修生を対象として、10月27日に、第3回リサーチセミナーを開催しました。国立精神・神経医療研究センター 病院長 水澤英洋先生をお招きして「小脳疾患の患者さんの診察から運動学習の基礎メカニズムに迫る」というタイトルでご講演を頂きました。

 

小脳にまつわる基礎知識、小脳の関連経路の解説から始まり、小脳が老化(生理的加齢)のターゲットであること、脊髄小脳変性症(SCA)、多系統萎縮症などの変性疾患の治療が難しいこと、基礎研究は進んでいるものの、診断法・評価法はまだまだ不十分で根本的な治療法がないことなどのトピックが挙げられました。

 

なかでも、小脳機能の新評価法の確立についてわかりやすくかつ詳細に説明がありました。「学習によって運動記憶が獲得される」理論に基づき、プリズム順応でみた運動学習の実用的・定量的評価法であるAdaptability Index(適応指数、加齢に伴って低下する)について学びました。この評価法は認知症や精神疾患への応用も期待されています。また難治といわれる小脳の病気への治療アプローチについて今後の展望のお話がありました。神経変性疾患の発生機序に遺伝性変異、孤発性の両者があること、プルキンエ細胞の変性がSCA6, 31でみられること、SCA31は(UGGAA)nの発現はショウジョウバエにて神経変性をきたすこと、その変性(毒性)を治療する蛋白が見つかりつつあることなど最新の研究内容、トピックをご紹介いただきました。

 

セミナーの最後にあたり、目の前で困っている患者と出会い、診察して、今の状況をよくしていこうとする強い気持ちをもつこと、常に学習者としての自覚を持ち続けることの重要性についてのメッセージを頂きました。アメリカと日本のメンタリティーの違い、ご自身の豊富な経験、素晴らしい業績をご紹介頂き、プログラム履修生は大いに刺激されたのではないでしょうか。イノベーションはたゆまぬ好奇心と努力に裏打ちされて生まれるものだと再確認いたしました。

 

なお本リサーチセミナーには、メディカルイノベーター養成プログラム履修生以外にも、学年や所属が異なる3名の参加がありました。

 

 

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